[米国個別株投資] 米国上場電力会社を紹介

株式投資

トランプ大統領の就任以降、世界経済の見通しは不安定になっています。米国株式市場においては、引き続き力強さが見られますが、いつこの状況が一転するか予断を許さない状況です。こうした状況下で、ポートフォリオに含んでおきたいディフェンシブ銘柄の代表格である電力会社について調べてみました。皆さんの米国個別株投資の参考として頂ければ幸いです。

アメリカのエリア区分について

このあとご紹介する電力会社の事業エリアを理解する上で、アメリカの地域区分を知っておくことが必要ですので、まずはそのことについて説明したいと思います。

西海岸
アメリカ西部の太平洋沿岸に位置し、気候も温暖で過ごしやすい地域です。ITや映画産業が盛んで、カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコが代表的な都市です。

中西部
アメリカの中央から北部にかけて広がるエリアで、農業や製造業が中心です。イリノイ州のシカゴやミネソタ州のミネアポリスなどが代表的な都市となっています。

南部
気候が温暖で、人々の暮らしや文化に独特の魅力がある地域です。テキサス州やジョージア州などがあり、ヒューストンやアトランタが代表的な都市です。

東海岸(北東部)
アメリカ建国の歴史が色濃く残る地域で、金融やビジネスの中心でもあります。ニューヨーク州のニューヨーク市やマサチューセッツ州のボストンなどが有名です。

山岳部(内陸西部)
ロッキー山脈を中心に自然豊かな景観が広がる地域です。登山やスキーなどアウトドアも盛んで、コロラド州のデンバーやユタ州のソルトレイクシティがあります。

南西部
砂漠地帯が多く、乾燥した気候が特徴です。メキシコとの文化的つながりも深く、アリゾナ州のフェニックスやネバダ州のラスベガスが代表的です。

上場電力会社の簡易比較

まずは、各会社名とサマリーをご紹介します。

会社名ティッカー株価
(ドル)
主なサービスエリア売上高
(百万ドル)
営業利益
(百万ドル)
PBR
(%)
配当利回り
(%)
公式サイト
NextEra EnergyNEE$71.85フロリダ$24,750$7,4802.463.15https://www.nexteraenergy.com
Duke EnergyDUK$119.93東海岸$30,360$7,9301.833.49https://www.duke-energy.com
Southern CompanySO$95.35東海岸、一部南部$26,720$7,0702.823.1https://www.southerncompany.com
Dominion EnergyD$58.75東海岸$14,460$3,2501.694.54https://www.dominionenergy.com
ExelonEXC$43.99北部東海岸$23,030$4,3201.613.64https://www.exeloncorp.com
American Electric PowerAEP$109.79中西部、南部$19,720$4,3002.143.39https://www.aep.com
Xcel EnergyXEL$72.66山岳部$13,440$2,3902.053.14https://www.xcelenergy.com
Edison InternationalEIX$52.95南部カリフォルニア$17,600$2,9301.196.25https://www.edison.com
FirstEnergyFE$41.94東海岸$13,470$2,3801.934.24https://www.firstenergycorp.com
PPL CorporationPPL$36.57中西部$8,460$1,7401.892.98https://www.pplweb.com

各社の事業紹介サマリー

次に各社の事業概要をご紹介します。

NextEra Energy(NEE)

NextEra Energyはフロリダ州が拠点で、子会社のFlorida Power & Light(FPL)が州内のほぼ全域に電力を届けています。北米各地では風力・太陽光といった再エネ事業をどんどん拡大中です。最近はグリーン水素づくりや大規模蓄電にも本腰を入れており、2045年までに排出ゼロを目指すと公言しています。再エネの開発スピードは業界随一ですから、今後も注目です。


Duke Energy(DUK)

Duke Energyはノースカロライナ州シャーロット生まれで、カロライナ両州を中心に南東部から中西部まで11州に電気を供給しています。原子力とガス火力が主力ですが、2030年までにCO₂排出量を半減する計画を掲げ、太陽光や蓄電への投資を加速中です。カロライナ統合資源計画のもと、地域の再エネ導入量も着実に伸ばしています。


Southern Company(SO)

Southern Companyはジョージア州アトランタを拠点に、Georgia PowerやAlabama Powerなどグループ会社を束ねて南部各州で電力とガスを扱っています。話題は何と言ってもボーグル原発3・4号機の商業運転開始で、安定収益が見込まれます。再エネやCCS付きガスタービンにも力を入れており、バランス型の脱炭素戦略を進めています。


Dominion Energy(D)

バージニア州リッチモンドに本社を置くDominion Energyは、州内の送配電が稼ぎ頭です。さらにノース・サウスカロライナやユタ州でも事業を展開。近年は米東海岸最大級の洋上風力プロジェクト「Coastal Virginia Offshore Wind」に巨額投資し、水素混焼ガスタービンなど新技術にも挑戦しています。


Exelon(EXC)

Exelonはイリノイ州シカゴを本拠とし、ComEdやPECOなど6つの配電子会社で1,000万超の顧客に電気とガスを届けています。2022年に発電事業を分社化したため、現在は規制収入が中心で収益の安定性が高いのが特徴です。配電網のデジタル化やEV充電インフラ整備に重点投資し、グリッドの近代化を進めています。


American Electric Power(AEP)

AEPはオハイオ州コロンバス生まれで、11州にまたがる全米最大級の高電圧送電網を運営しています。石炭依存を減らし、ウインドキャッチャーなど大規模風力案件を推進。2030年までに排出を半減すると宣言しています。利益の約75%が規制部門から来るため、配当も比較的安定しています。


Xcel Energy(XEL)

ミネソタ州ミネアポリスに本社を構えるXcel Energyは、コロラドやミネソタを含む8州で電力とガスを提供。電源構成の半分以上が既に再エネで、2030年に80%、2050年に100%カーボンフリーを掲げています。送電線の増強と大容量蓄電の導入が最近の注力分野で、クリーンエネルギーの先駆者的存在です。


Edison International(EIX)

Edison Internationalはカリフォルニア州ローズミードが本社で、子会社Southern California Edison(SCE)がロサンゼルス郡など南カリフォルニアの電力を一手に担います。山火事リスクを下げるため送電線の地下化やスマート遮断器の設置に巨額を投じる一方、EV充電網の構築や分散型太陽光の統合にも積極的です。


FirstEnergy(FE)

オハイオ州アクロンに本社を置くFirstEnergyは、Ohio EdisonやJersey Centralなど10の配電会社を通じて中西部と大西洋岸で約600万顧客へサービスを提供しています。現在は「Energize FE」と呼ばれるグリッド近代化プログラムに20億ドル超を投資し、信頼性向上やスマートメーター設置を推し進めています。


PPL Corporation(PPL)

PPLはペンシルベニア州アレンタウンが拠点。PPL Electric(PA)、LG&E & KU(KY)、Rhode Island Energyを合わせて320万顧客を抱えます。2022年の英国事業売却で財務が改善し、現在は米国内送配電インフラへの年間30億ドル規模のCAPEXを計画。配電自動化と分散電源の統合に力を入れています。

今回はアメリカの電力会社について調査して、紹介してみました。ぜひご参考にして頂ければ幸いです。

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